23時のミャーの大冒険
「えっ!なんで颯先輩達がこんなとこ歩いてんすか」
俺達を見るなりあからさまに千歳が怪訝な顔をする。
「嘘でしょっ、なんで颯と野良猫がバーなんかに来んのよっ」
千歳に腕を絡めて体を預けていた実花子が千歳を思い切り突き飛ばすと切長の瞳を細めた。
「いてて。もう、マジで颯先輩何なんすか、今からいいとこなのに」
「は?いいとこ?」
俺はすぐにあのラブホが浮かんでくる。
「ふざけんなっ、何がいいとこだよっ、俺達はお前らみたいなバカップルに付き合ってる暇ねぇんだよっ。こっちはいま拉致監禁事件追ってんだからな!」
「はいはい。欲求不満で八つ当たり放題の颯先輩に僕達も付き合ってられないんで」
千歳がさりげなく実花子の掌を握った。
「じゃあ失礼します。ん?そういや拉致っていいました?美弥居るのに誰が拉致られてんすか?」
「私も気になってたんだけど、颯、それ警察に言ったの?」
「お前らに関係ねぇよ」
「ちょっと颯。あの……千歳くん、実花子さん、あの全然違うんです……」
千歳と実花子が顔を見合わすと呆れたような顔をした。