23時のミャーの大冒険
「だよね、美弥も大変だな、颯先輩のお守り……」

「ほんとね、手に負えないわ。行きましょ、千歳。野良猫またね」

美弥が小さくお辞儀をする。

「さっさと行っちまえ。今から俺は犯人取り押さえねぇといけねぇしな!」

千歳がワザと盛大にため息を吐き出しながら、俺たちに背を向けると二人仲良くラブホ方面へと消えていく。 

(くそっ、イライラすんな……)

扉に手をかけようとして、美弥が俺の手を引っ張った。 

「颯っ、しっ」

美弥が人差し指を唇に当てている。

「どした?」 

「いま、お店の裏の方からミャーの鳴き声がしたの」

「え?」

俺と美弥は、バーの入り口から離れると、二人で耳を澄ます。

──『ニャーン』

確かに小さく聞こえてきた声に俺と美弥は目を合わせた。 

「店の裏回るぞ」

「うん」 

俺達はなんとなく身を屈めながら、足音を立てないように一歩、また一歩と店裏へと歩いて行く。

そして店裏へと角を曲がったときだった。
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