堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

「ついにこの時が来たね」
 翌日の6限目。体育館のコートにラケットを持って立つ蓮翔が言った。

「ああ、長かったよ」
 詩朗くんは真面目に言う。

 ついにこの時が、とか、長かったって……。
 まだ2日くらいしか経ってないけど……?

「蓮翔くぅ~~ん、頑張って~~!!」
 女子生徒達が叫ぶ。

「ありがとう」

 蓮翔は爽やかな笑みを浮かべる。

「きゃ~~!!」
 女子生徒達の歓声が上がる。

「どっちが勝つかな~?」

「当然、蓮翔くんでしょ!!」

「だよね~~」

 女子達の会話が次々に聞こえてくる。

「雛乃ちゃんは、どっち応援する?」

 隣に体操座りする雛乃ちゃんに話しかけるわたし。

「私は詩朗かな。幼馴染だし」
 さらりと言う雛乃ちゃんに、わたしはびっくりする。
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