堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

「あ~もうっ!!」
 わたしは部屋のパソコンの前に座り、イラつきながら叫んだ。

 翌日の9月6日。
 アイヒメ大賞の締め切りまで、ちょうど一ヶ月になった。

 でも、未だに大賞にエントリー出来る小説が書けていない。

 というか、蓮翔にどの小説を見せても、
 全部ボツッ!
 って言われて、そんなふうに言われた小説をエントリーする気には当然なれなくて……。

 本当、どうしたら良いんだ! って感じ。

「読まれない粉被り小説家、ついにキレる」
 蓮翔が後ろで洗濯物を畳みながら言う。

 わたしは振り返り、蓮翔をキッ! と睨む。

「なんだよ?」

「いいよね、暇な人は」

「は?」 

 わたしは立ち上がると、ベットに座り直す。

「わたし、大賞にエントリー出来る小説、たっくさ~~~ん書いてきたっ!」
「それなのに蓮翔は全部ボツだって言う!」
「なんで!? わたしに何か恨みでもあるの!?」

「ある」
 蓮翔は真顔で言う。

 あるんかいっ……。
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