堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 わたしは卵焼きを箸で食べる。

「てか蓮翔、気になってたんだけどね」

「ん?」

「なんで、家出てきたの?」

「は?」

「だから、なんで家出てきたの?」

「は?」

 蓮翔の『は?』ムカツクッ。
 どうやら、理由を話す気はないらしい……。

「もういいやっ」 

 わたしはコップを手に取り、水を飲む。

「……おい、粉被り」

「な、何?」

「今日さ、バイトの面接受けてくるわ」 

 わたしはきょとんとする。

「え、何、いきなり」

「遊ぶ金欲しいし」

「どこの面接?」

「駅前のコンビニ」 

 え……。
 あそこ……!?

「……という訳だから、金ちょうだい」

 蓮翔は手を差し出してくる。 
< 38 / 256 >

この作品をシェア

pagetop