私のボディーガード君
自宅に戻った後も三田村君はずっと傍にいてくれた。

リビングのソファに並んで座って、三田村君の広い肩に頭を預けると、優しく頭を撫でてくれる。

三田村君と触れていると安心する。

友美の言うように好きって事なのかな?

「若林から聞きました。犯人の名前を聞いたそうですね」

あの男の名前に嫌な感情が湧き上がってくる。

「話したくない。浅羽さんに聞いて」
「もう聞きましたよ」

驚いて、三田村君の肩から起き上がると、黒い目と合った。
近くで見る三田村君の瞳は吸い込まれそうな程、澄んでいて綺麗。

あまりにも綺麗で、胸がドクンって脈打つ。

「浅羽に会ったの?」
「妃奈子さんを心配して、彼も病院の待合室にいましたから」
「そうなんだ。いたんだ」

浅羽には会わず帰って来た。
周りを気にする余裕もなかった。

「浅羽さんとお付き合いをしていたそうですね」
「そんな事も聞いたの?」
「どういう関係の方か知りたかったので。ボディーガードとして必要な事ですから」

ボディーガードとして……。

改めて聞くと、三田村君が私と一緒にいるのは仕事なんだって実感する。

凄く寂しい。

「そうだよね。三田村君はボディーガードだから私に関心があるんだよね」

口にするともっと寂しくなる。

「妃奈子さん、怒ってます?」
「別に」

三田村君から離れて、ソファの脇に座り直した。
< 114 / 210 >

この作品をシェア

pagetop