私のボディーガード君
「私、沈んだ顔している?」
三田村君が頷いた。

「寂しそうな顔をしています」
「三田村君は私の事をよく見ているんだね」
「それが仕事ですから」

仕事……。

ズキッ。また胸が痛くなった。
だけど、表情に出さないように笑った。

「三田村君も大変だよね。仕事とは言え、私とずっと一緒だもの。お酒も飲めないんでしょ?」
「妃奈子さんが眠った後に、偶に飲んでます」
「そうなの?」
「妃奈子さんが眠った後じゃないと飲めないんで」
「じゃあ、私、一生三田村君とお酒飲めないじゃない」
「飲めますよ。犯人を逮捕するか、大臣がお辞めになれば」
「それって、私のボディーガードが終わった後に飲んでくれるって事?」
「まあ、そういう事です」

嬉しい。ボディーガードが終わった後も三田村君、会ってくれるんだ。

「じゃあさ、二人だけで飲みに行こうね」
「妃奈子さんが飲みすぎないと約束してくれれば」
「記憶がなくる程は飲まないよ。1月の新年会以来、私、そんなにお酒飲んでいないでしょ?」
「そうですね。あの時は大変でした」
「すみません。ご迷惑をおかけして」
「いえいえ、とんでもない」

三田村君と目が合って、ぷっと同時に笑った。
こういう瞬間が幸せ。

「三田村君、あと三ヶ月よろしくね」
「こちらこそ。精一杯、妃奈子さんを守らせて頂きます」
< 116 / 210 >

この作品をシェア

pagetop