私のボディーガード君
目尻をやや上げた険しい表情を向けられ、ただサインをもらいに来ただけではないのだと悟る。

「私の勇人様を返して下さい。お願いします。勇人様は私の物なのです。ボディーガードなんて危ない事はさせたくありません!」

さっきまでニコニコとしていた栗色の瞳は怒っているようだった。

「勇人様はボディーガードのような肉体労働をする方ではございません。将来、日本の経済界を背負う方なのです。せっかくSPを辞めたのに、佐伯先生のボディーガードをしていると聞いて腹が立ちました」

一方的な言い方にカチンとするけど、でも、三田村君を心配するあまり、少し言葉が過ぎてしまったのかしもれない。

コーヒーを口にして、心を静める。

「佐伯先生がボディーガードが必要でしたら、私がご用意いたしますから、勇人様を辞めさせて下さい」

「また、あなたそんな事言っているの!」

パーティションの向こう側に立っていた若林さんがいきなり入って来た。
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