私のボディーガード君
「質問は終わりですか?」
綾子さんが席を立とうとする。
「ちょっと待って。発売中止になったって事は何か問題があったって事?」
「チャイルドよりも効く新薬が出たからだと聞いてますが」
「新薬が出ただけで発売中止になるものなの? 問題があったんじゃないの?」
「問題はありません」
「どうしてわかるのよ。あなた入社前の事は知らないんでしょ?」
「私を怒らせたいんですか? この尋問は先日の仕返しですか?」
綾子さんがまつ毛の長い目を険しくさせて睨んでくる。
「そんな、綾子さんを怒らせるだなんて。ごめんなさい。私、遠慮って言葉を知らないの。興味が湧くと追及するのがクセで」
「佐伯先生は学者さんらしい失礼な人ですね」
「ありがとう。褒め言葉として取っておくわ」
「変な人」
綾子さんが笑った。
初めて作り物じゃない、素の笑顔を見た気がする。
「そろそろ秘書課に戻らないと叱られるのですが。一番新人だから、風当りが強いんです」
「社長に守ってもらえないの?」
「仕事中の公私はこれでも分けているんです」
「公私を分けているようには見えなかったけど」
「勇人様の事では頭に血がのぼってしまうんです。今、思うと少々大人気なかったと反省しています」
「三田村君が好きなのね」
「はい。でも、叶わない恋ですから。私、結婚する事にしました」
え! 結婚!
綾子さんが席を立とうとする。
「ちょっと待って。発売中止になったって事は何か問題があったって事?」
「チャイルドよりも効く新薬が出たからだと聞いてますが」
「新薬が出ただけで発売中止になるものなの? 問題があったんじゃないの?」
「問題はありません」
「どうしてわかるのよ。あなた入社前の事は知らないんでしょ?」
「私を怒らせたいんですか? この尋問は先日の仕返しですか?」
綾子さんがまつ毛の長い目を険しくさせて睨んでくる。
「そんな、綾子さんを怒らせるだなんて。ごめんなさい。私、遠慮って言葉を知らないの。興味が湧くと追及するのがクセで」
「佐伯先生は学者さんらしい失礼な人ですね」
「ありがとう。褒め言葉として取っておくわ」
「変な人」
綾子さんが笑った。
初めて作り物じゃない、素の笑顔を見た気がする。
「そろそろ秘書課に戻らないと叱られるのですが。一番新人だから、風当りが強いんです」
「社長に守ってもらえないの?」
「仕事中の公私はこれでも分けているんです」
「公私を分けているようには見えなかったけど」
「勇人様の事では頭に血がのぼってしまうんです。今、思うと少々大人気なかったと反省しています」
「三田村君が好きなのね」
「はい。でも、叶わない恋ですから。私、結婚する事にしました」
え! 結婚!