私のボディーガード君
まさか勘と言われるとは思わなかった。

「少し女性にだらしない所はあるけど、浅羽さんはそんなに悪い人じゃないよ。綾子さんも浅羽と結婚するって決めたみたいだし」

「え！　綾子さん、浅羽さんと結婚するんですか？」
「うん」

三田村君の顔が青ざめていく。
三田村君がそんな反応をするなんて意外。

綾子さんの事は縁を切る程、嫌だったんじゃないの？

「綾子さんが結婚するって聞いてショックなの？」
「いえ、そういう訳では。結婚は喜ばしいと思っています。ただ、相手が浅羽さんと聞いて心配になったというか」

浅羽の事を嫌な物のように言う三田村君にイラッとする。

「私は浅羽さんにフラれたけど、憎いとは思ってないのよ。だから彼の事を悪く言うのやめてくれる？　今だって、私、浅羽さんと話したい事があったのに。勝手な事をしないで」

三田村君がムッとしたように表情を険しくする。そんな三田村君にカチンとくる。

「妃奈子さんを守るのが俺の仕事ですから」
「浅羽さんが私を刺すとでも？　彼はそんな事をする人じゃないわ」
「妃奈子さん、あの人の事は警戒するべきです」
「どうして？」
「上手く説明できませんが、嫌な物を感じるんです」
「それだけじゃ、浅羽さんを遠ざける理由にはならない」
「俺の勘を信じてくれませんか？」
「信じられないわよ！」

三田村君からプイッと顔を背けて、歩き出した。
腹が立って仕方がない。なんなの、もう！
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