私のボディーガード君
そりゃ、私も三田村君の勘を信じられないって言っちゃったから、悪かったよ。悪かったと思ったから生姜焼きを作ったのにスルー?

本当にもう、三田村君に腹立つ。

せっかく仲直りしてあげようと思ったけど、止めた。
ふん。もう知らないもん。

その夜はいつまで経っても怒りが治まらなかった。
友美にも電話したけど、子どものケンカだねと笑われてますます腹が立った。

次の日は大学に出た。警護についてくれたのは若林さん。三田村君の顔を見たくなかったから丁度良かった。

研究室で仕事をしていると、若林さんに「三田村と何かありました?」と聞かれた。

若林さん鋭い。

「別に」
キーボードを打ちながら答えた。

「そうですか。昨日は神宮寺製薬に行かれたんですよね? 謝罪はどうでした? もしかして逆に謝られたんじゃないんですか?」

ハッとした。

「なんで若林さん知ってるの?」
「やっぱり」

若林さんがクスッと笑みを浮かべた。
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