私のボディーガード君
その場所は廃墟のようだった。薄暗い建物の中を進み、広い部屋に出た。辺りには誰もいない。
「三田村君、どこ?」
ぐるぐると周りを見渡すと、スーツ姿の男性の背中が見えた。
「三田村君!」
背中に向かって走った。
「妃奈子さん」
背を向けていた三田村君が私の方を振り向いた。
やっぱり三田村君だった。ここにいたんだ。
「来るな!」
三田村君の怒鳴り声に足が止まる。
何よ。来るなだなんて偉そうに。
「妃奈子さん、危ない!」
三田村君が私に向かって走ってくる。
次の瞬間、銃声のような音が響いた。
三田村君が私に飛びついた。三田村君に抱えられたまま私は床に転がった。
三田村君の下敷きになり、起き上がろうとすると手に生温かい物が伝わってくる。
血だ。
「妃奈子さん、大丈夫ですか?」
「三田村君、血が」
私から出ているんじゃない。三田村君の脇腹から出ている。
「三田村君、怪我してるの?」
「これぐらい大丈夫ですよ。それより逃げて下さい」
「逃げる?」
「早く、逃げて」
気づくと銃を持った男が私たちの前に立っている。
三田村君が男に立ち向かう。その時、銃声が何発も響いた。
三田村君の背中が真っ赤に染まっていく。
「三田村君――!」
「三田村君、どこ?」
ぐるぐると周りを見渡すと、スーツ姿の男性の背中が見えた。
「三田村君!」
背中に向かって走った。
「妃奈子さん」
背を向けていた三田村君が私の方を振り向いた。
やっぱり三田村君だった。ここにいたんだ。
「来るな!」
三田村君の怒鳴り声に足が止まる。
何よ。来るなだなんて偉そうに。
「妃奈子さん、危ない!」
三田村君が私に向かって走ってくる。
次の瞬間、銃声のような音が響いた。
三田村君が私に飛びついた。三田村君に抱えられたまま私は床に転がった。
三田村君の下敷きになり、起き上がろうとすると手に生温かい物が伝わってくる。
血だ。
「妃奈子さん、大丈夫ですか?」
「三田村君、血が」
私から出ているんじゃない。三田村君の脇腹から出ている。
「三田村君、怪我してるの?」
「これぐらい大丈夫ですよ。それより逃げて下さい」
「逃げる?」
「早く、逃げて」
気づくと銃を持った男が私たちの前に立っている。
三田村君が男に立ち向かう。その時、銃声が何発も響いた。
三田村君の背中が真っ赤に染まっていく。
「三田村君――!」