私のボディーガード君
目を開けると、車の中だった。運転席には若林さんがいて、車を走らせている。
窓の外に流れる景色はまだ高速道路の中だった。
「先生、お目覚めになりましたか?」
後部座席に座っている私に向かって若林さんが声をかけた。
「ごめんなさい。眠ってしまって」
東北自動車道に入った辺りまでは覚えていた。
腕時計を見ると午後三時だった。最後に見た時よりも30分進んでいる。
ああ、そうか、今のは夢……。
「うなされていたようですが、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫」
大丈夫と言いながらも、今見た夢が頭から離れず、冷や汗が出てくる。心臓も嫌な感じでドキドキしている。
夢とは言え、三田村君が撃たれるなんて……。
真っ赤に染まる背中を思い出すだけで、指先が震えそうになる。
あんなに怖い夢、もう二度と見たくない。
でも……。
私を庇って三田村君が命を落とす事も……。
嫌だ。三田村君があんな風に傷つくなんて。
私を庇って死ぬなんて許せない。
まだ自分が撃たれた方がいい。
「若林さん、もし私が危ない目に遭ったら、若林さんは盾になるの?」
「当然です。それが職務ですから」
「怖くないの?」
「怖くないように訓練を受けておりますから」
「死んじゃうかもしれないんだよ」
「警護対象者を死なせるよりマシです」
「三田村君も同じように思うの?」
「三田村は躊躇なく先生の盾になると思います。その覚悟ができている男ですから」
三田村君が私の盾になるなんて、やっぱり嫌。
いつも私を守るって三田村君は言ってくれるけど、初めて守られている事が嫌だと思う。
窓の外に流れる景色はまだ高速道路の中だった。
「先生、お目覚めになりましたか?」
後部座席に座っている私に向かって若林さんが声をかけた。
「ごめんなさい。眠ってしまって」
東北自動車道に入った辺りまでは覚えていた。
腕時計を見ると午後三時だった。最後に見た時よりも30分進んでいる。
ああ、そうか、今のは夢……。
「うなされていたようですが、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫」
大丈夫と言いながらも、今見た夢が頭から離れず、冷や汗が出てくる。心臓も嫌な感じでドキドキしている。
夢とは言え、三田村君が撃たれるなんて……。
真っ赤に染まる背中を思い出すだけで、指先が震えそうになる。
あんなに怖い夢、もう二度と見たくない。
でも……。
私を庇って三田村君が命を落とす事も……。
嫌だ。三田村君があんな風に傷つくなんて。
私を庇って死ぬなんて許せない。
まだ自分が撃たれた方がいい。
「若林さん、もし私が危ない目に遭ったら、若林さんは盾になるの?」
「当然です。それが職務ですから」
「怖くないの?」
「怖くないように訓練を受けておりますから」
「死んじゃうかもしれないんだよ」
「警護対象者を死なせるよりマシです」
「三田村君も同じように思うの?」
「三田村は躊躇なく先生の盾になると思います。その覚悟ができている男ですから」
三田村君が私の盾になるなんて、やっぱり嫌。
いつも私を守るって三田村君は言ってくれるけど、初めて守られている事が嫌だと思う。