私のボディーガード君
「やっぱり三田村君、倉田浩介とチャイルドの事を調べに来ていたんだ」

私の前に立つ三田村君が気まずそうに頭をかく。

「私も倉田浩介の事を知りたいって言ったよね? なんで調査に行く事を教えてくれなかったの?」

三田村君の顔を見たら、またイライラが募って来た。

「これは私の事件よ。私にも調べさせてよ」
「すみません。妃奈子さんには後で結果をご報告しようと思っていたので。とにかく、急いでいますので、俺はこれで」

三田村君が立ち去ろうとする。その腕を掴んだ。

「どこに行くの?」
「人と会うんです」
「倉田浩介と関係のある人?」
「はい」
「私も行く」

三田村君が考えるように黒い瞳を向ける。

「ダメだと言っても妃奈子さんはついて来ますよね」
「よくわかってるじゃない」
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