私のボディーガード君
ハッとして目を開けると、目の前に三田村君の顔があった。三田村君も横になっていて、優しい表情でじっとこっちを見つめている。

「妃奈子さん、おはよう。と言ってもまだ夜だけど」

大きな手が私の存在を確かめるように頬に触れた。

「私、寝ちゃったの?」
「一時間ぐらい。疲れましたよね? いろいろと無理させてしまったから」

無理って言葉に子宮の奥が疼く。
三田村君と繋がった余韻がしっかりと下腹部に残っている。

恥ずかしいけど、嬉しい感覚。
好きな人に抱かれたって実感が湧いてくる。

「三田村君、素敵だったよ。ますます好きになっちゃった」
「えっ」
眉を上げた顔が僅かに赤くなった。
三田村君、照れてるんだ。可愛い。

顔を近づけて、私からキスする。そんなに深くするつもりはなかったのに、三田村君は火がついてしまったようで、中々離してくれない。

「三田村君、まだ、するの?」

キスは激しさを増して、大きな手が掛布団の中の私の裸体をまさぐり始める。

「ダメですか?」
「その聞き方ズルイ。ダメって言える訳ないじゃない。でも、お腹すいた」
パッと三田村君が私から離れて「確かに」と言って笑った。

「ルームサービスを取りますか」
ベッドから起き上がった三田村君が黒いボクサーパンツ一枚の姿でメニューを取ってくる。

さんざん三田村君の裸を見たけど、目のやり場に困る。想像していた以上に三田村君の上半身にも下半身にも適度な筋肉がついていて、引き締まった身体がカッコイイというか、セクシーでドキドキしてしまう。

「妃奈子さん、何にしようか?」

ゴロンと当たり前のように私の隣に寝転がって三田村君がメニューを見る。

そんな鼻筋の通った横顔も素敵で……。

「妃奈子さん、聞いてる?」

こっちを見た黒目とばっちり目が合って、思わず掛布団の中に隠れた。

「そのリアクション、可愛すぎます。やっぱりルームサービスはもう少し後。妃奈子さんを食べたい」
「え? 私を食べるの?」
掛布団から目元だけ出すと、三田村君の顔が近づいて来て、ぺりっと布団を剥がされた。

「妃奈子さんを食べます。いただきます」と言って、柔らかな唇がぶちゅっと私の唇に重なった。
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