私のボディーガード君
若林さんに送ってもらって家に帰ったのは夜の10時過ぎだった。今夜は学部長主催の新年会があった為、遅い時間の帰宅になった。

帰宅すると三田村君が出迎えてくれた。グレーのパーカーにジーパン姿で、お風呂後なのか、いつも整髪料で固めている前髪が額にかかっていた。

「あっ、三田村君! たらいま~♪」

お酒が入っているので気分はいい。

三田村君が黒目を丸くして私を見た後、説明を求めるように隣に立つ若林さんに視線をやった。

「新年会です。ビール3杯、日本酒3合、ワインボトル2本を空けています」
若林さんが淡々と私が飲んだお酒を報告する。

「若林、止めろよ。飲ませすぎだ」
腰に手を当てた三田村君が呆れたようにため息をついた。

「三田村君、怒ったの?」
「怒ってませんよ。妃奈子さん、一人で歩けますか?」
「らいじょうぶ、らいじょうぶ、あたし、お酒、つおいんだから」
パンプスを脱いで、ふらふらと玄関ホールを歩く。三歩進んだ所でくらっとした。

「妃奈子さん!」
三田村君が慌てたように私に駆け寄って、両肩を支えてくれた。

「大丈夫ですか?」
「うん。三田村君、抱っこ」

三田村君に向かって両腕を伸ばすと驚いたように凛々しい黒眉が上がる。
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