私のボディーガード君
「妃奈子さん、いいんですか?」
「いいよ」

ニッて口の端を上げた次の瞬間、私の背中と膝の裏に大きな手と逞しい腕の感触を感じた。そして、あっという間に三田村君に横抱きに抱き上げられた。

おおー! これはお姫様抱っこ!

「妃奈子さん、私の首に腕をまわして下さい。このまま二階の寝室に運びます」

言われるまま三田村君の首に両腕を回すと、石鹸のいい香りがする。三田村君から漂う匂いはいつもいい匂い。三田村君の首に鼻を埋めてみたくなる。

それにしても、久しぶりに見た三田村君、やっぱりイケメンだ。光源氏みたい。

「手伝います」

慌てたように若林さんが玄関ホールに上がってくる。

「大丈夫だ。若林はもう帰っていいから。あとは俺が妃奈子さんを守る」

ピシッと若林さんに言った三田村君がカッコイイ。

若林さんはまだ何か言いたそうだったけど、「失礼します」と言って玄関を出て行った。

「妃奈子さん、階段を上りますよ」
こっちに視線を向けた黒目と近い距離で合って、ドキッとする。

「うん」
頷くと三田村君は私を抱えたまま玄関脇の階段を上り始めた。

三田村君の腕の中、温かくて安心する……。
男性は怖いけど、三田村君はやっぱり怖くない。

なんでだろう?
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