私のボディーガード君
好きの意味を勘違いしてはいけない。
きっと、恋愛対象として好きって事じゃない。

「好きって、その、人としてって意味だよね?」

三田村君が考えるように俯いた。

「ボディーガードの仕事は、守る人の事を知る所から始まるんです。歩く速さとか、どんな生活を送っているかとか。だから私も妃奈子さんの事を知る所から始めました。妃奈子さんは源氏物語オタクで、大酒飲みで、カラオケが好きで、そして意地っ張りというか、強がりで。男性が苦手な事を周りに見せないようにしていたり、傷つけられても平気なふりをしてたりで。妃奈子さんはいつもいろんな事を我慢していて、でも、明るくて、いつも笑っていて……」

三田村君、そんな風に私の事を見ていたのか……。

意地っ張りで強がりか。

当たっているかな。

我慢ばかりしているから胃薬が手放せない。

「三田村君は私の事よくわかっているんだね。出会ってから一ヶ月も経っていないのに。私ね、人に弱い所見せたくないの。完璧でいたいの。だけど、それって凄く苦しくなるの。苦しくなるけど、見栄を張りたいの。本当、私って強がりね」

こんな事が言えちゃうのは酔っているせいだな。
それとも三田村君だから言えるのかな。

三田村君って不思議な人だな。
三田村君には自然と弱い部分もさらけ出している。

「つまり三田村君、強がりの私を人間的に好きって言いたいの?」
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