パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
証明するかのように、サイン済みの婚姻届を駒木さんが東本くんの鼻先に突きつける。

「は?」

間抜けな声を上げながら東本くんはそれを受け取り、確認した。

「私、駒木さんと結婚する、から。
ごめん」

「どういうことだよ!?」

東本くんの手が、私のほうへと伸びてくる。
それに、身が竦んだ。

「そこまでだよ」

「いってーっ!」

東本くんの悲鳴が聞こえてきて、おそるおそる目を開ける。
そこでは彼が、駒木さんに取り押さえられていた。

「そういうことをするから花夜乃さんにフラれるんだって、わかんないの?」

はぁっと小馬鹿にするようにため息をつき、駒木さんは東本くんを解放した。

「俺、は……」

立ち上がった東本くんが、バツが悪そうに私から目を逸らす。

「……ごめん」

「あ、うん。
あんなことがあって、私も過剰に反応しちゃうだけだから。
なんか、ごめん」

微妙になった空気を取り繕おうと笑ってみる。

「花夜乃さん。
無理に誤魔化さなくていいんだよ」

静かな駒木さんの声に、ぴくんと身体が反応した。

「ずっと前から、男の人が怖いまでいかなくても酷く苦手でしょ?」

「え……。
なんで、知って」

どうして駒木さんが、私の事情を知っているんだろう。
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