パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「見てたらわかるよ。
男の人とは微妙に距離を取ってる。
だから、苦手なんだろうなって思っただけ」

それで駒木さんは、私と無理に距離を詰めたりしなかったんだ。
ずっとそうやって私に気遣ってくれていたのだと知り、さらに彼が好きになった。

「ありがとうございます、駒木さん」

「僕はなにもしてないよ」

ゆるゆると彼は笑っている。
こういう駒木さんだから、私は好きなんだな。

「あー、ごめん」

東本くんの声が聞こえてきて、今はふたりっきりではなかったのだと、いまさらながら思い出した。

「悪いけどそういうの、ふたりだけのときにやってくれない?
今、失恋したばかりの身としては、つらい……」

少し泣きそうに言われ、それもそうだと気づいた。

「あ、ごめん」

「謝らないでくれ、余計に情けなくなる。
それで俺も、わるかった!」

東本くんが私へ、勢いよく頭を下げる。

「俺、あれから反省したつもりだった。
でも実際は全然、変わってなかったんだな。
ほんとにごめん!」

膝に頭がつくほど、東本くんは深く頭を下げた。

「えっ、頭を上げてよ!
少なくとも私は、高校生のときのことを謝ってくれて、嬉しかったよ。
だから、気にしないで」

精一杯の笑顔で応える。
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