パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
こんな言い方はあれだが、駒木さんのような考えができる人がきっと特殊なのだ。

「許してくれるのか?」

「うん。
それで、恋人同士だからこうするのが当たり前、みたいな考え方、少しでいいから改めてくれたら嬉しい」

私が東本くんを受け入れられなかった大きな要因は、そこだ。
それがなかったら少しは、考えていたかもしれない。

「わかった」

真面目に、彼が頷く。
東本くんは素敵な人だからきっと、すぐにいい人と出会えるって私は信じている。

駒木さんが呼んでくれたタクシーで出勤した。
会社で彼は、お母さんが大怪我をして介護が必要になったから、という理由で辞めたことになっていた。

「篠永さーん、駒木さんのお母さんって、そんなに悪いの?
介護ってどれくらいかかるの?
お母さんが治ったら戻ってきてくれないかな?」

「わ、私は詳しく聞いてないので……」

ため息交じりで話す男性社員の質問を、微妙な笑みを貼り付けて聞く。
彼だけではない、複数の人から駒木さんの復帰をお願いされていた。
たった数日でここまで頼られるようになるなんて、さすがミスターパーフェクトだ。

「篠永さん、いいかな」

「あっ、はい」

仕事中に人事部長に呼ばれ、先日の一件について話を聞かれた。
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