パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
事件が事件だっただけに、人事№2の女性社員も一緒だ。
話といっても駒木さんがほとんど説明してくれていたので、確認で終わった。

「ん、わかった。
つらい話をさせてすまない」

真摯に人事部長が頭を下げてくれる。
そこが、切れ者と言われるゆえんだろう。

「櫻井さんはどうなるんですか……?」

彼の減免を望むとかそういう気持ちはまったくない。
ただ、もし会社に戻ってきたらどうしようという不安があるだけだ。

「刑事罰になるだろうし、それでなくても社内で起こした事件だ。
辞めてもらうだろうね」

「そうですか」

それを聞いてなにか思ったかといえば、なにも感じなかった。
私って、冷たいのかな。

「わるかったな、仕事中に。
会社の責任でもあるし、昨日の休みと一昨日の早退は公休扱いにしてあるから、気にしなくていい」

「お気遣い、ありがとうございます」

「他になにかあるか」

「いえ……」

そこまで言って、止まった。
窓口に上げようと思っていた、コンペでの出来事を今、話すべきでは?
彼ならば真剣に話を聞いてくれそうな気がする。

「どうした?」

私が言いかけてやめたものだから、不審そうに人事部長が私をうかがう。
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