パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「その。
まったく関係がない話なんですが、ご相談したいことがあって。
よろしいでしょうか」

居住まいを正し、真っ直ぐに人事部長を見つめる。

「……いいだろう、話してみろ」

何事か感じ取ったのか、彼は膝の上に両肘をついて指を組み、前のめりになった。

「実は……」

コンペのプレゼンで商品部長から言われたことを彼に話す。
人事部長は私が思ったとおり、真面目に聞いてくれた。

「君が不当に評価されたのはよくわかった。
そういう偏見や勝手な理想で決めず、正当に評価するように注意しよう」

「ありがとうございます」

人事部長が確約するように大きく頷く。
思い切って、話してよかった。
これでダメだったとしても、自分の考えがそれまでだったのだと諦めがつきそうだ。

「篠永さーん、これ、頼めるかしらぁ?」

職場に戻ってきて森田さんが差し出す書類を無言で見つめる。

「そういえば体調はもういいの?
一昨日は早退して、昨日も休みだったし」

いや、体調を心配しながら、残業を頼んでくる彼女の気持ちがわからない。
しかしそれはもう、諦めた。
でも、言うべきことはきちんと言うべきだ。

「課長!」

森田さんの手を掴み、課長席へ向かう。
いきなり私に連れていかれ、森田さんは驚いているようだった。

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