クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。


思わずぎゅっと目をつむって身構えた。



トン、と綾瀬くんの手が壁に触れる音がして、さらにぐっと近づく距離。


近い、ちかいちかいよ……っ。



耳元に顔が近づいて、綾瀬くんがなんだかちょっぴり甘くて優しい声で囁いた。



「…今日、夢野が晩飯つくって」


「……、え?」



夢野が作ったご飯が食べたい、と呟かれた。



「……どうしたの?」


「っ、へ、なんでもないよ!ご飯なら喜んで作るよ!」



びっくりした……!距離が近すぎたから何事かと思った…。



ご飯ね。うん。了解です。




心臓がどきどきと高鳴っていて、痛いくらい。


ちょっとだけ、ドキッとしてしまったのはなんでだろう…?



それに、ちょっとだけ、ちょっとだけがっかりした気持ちになったのはなんでだろう…?



まあ、あの顔が近くにあったらそきゃどきどきしちゃうよね。なんだかイケメンのオーラもビシバシ感じたし。


たぶんそういうことかな…?



とりあえず、落ち着ちついて心臓。




その日の晩ご飯はいつもよりちょっぴり豪華にして、綾瀬くんの好きなものをたくさん作った。


食べている最中、なんだか向かいから視線を感じて心臓がどきどきしっぱなしだったから、あんまり味を覚えていないけど。



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