悪役令嬢は、家族の専属業火担!!~すみません、同担は拒否したします。~
そんなこんなで私ももう、十四歳。
この世界での成人を迎えた。
十四歳になると、貴族はアルファーノ王立学園に通わなくてはいけなくなる。
私も明日から通うことになっている。
シオンお兄さまは歳が一つ上なのでもう通っている。
基本的に家には帰ってきてくれるから寂しくはない。
ただ、自分が通うとなるとちょっと不安だ。
というのも私、まだ社交界にデビューしていないのだ。
だって、シオンお兄さまとカインとお父様、さらにはお母様にまでまだダメ!と言われてたので断念したからだ。
いくら推しがいても、友達がいらないというわけではない。
むしろ欲しい。めっちゃ欲しい。
それにアルファーノ王立学園は、まさに『きら恋』の舞台。
ヒロインとシオンお兄さま達以外の攻略対象と出会う場所。

「あーー、明日不安だなあ。」

「ああ、俺も不安だ。可愛いリリに悪い虫が群がったりしないか……。はあ。」

「!?!?」

び、びっくりした。
まさかシオンお兄さまがいたなんて。
いつ帰ってきたのだろうか。

「し、シオンお兄さま。お帰りなさい。」

慌てて挨拶をすると、シオンお兄さまは私を抱き寄せながら頭をなでなでしてくれた。
至福の時間だ。

「ただいま、リリ。可愛いね。」

ちゅっと私のほっぺにキスをし、微笑むわたしのお兄さまはもはや神である。
眩しすぎて目が痛い。

「そうだそうだ。リリ、明日は一緒に登校しようね。俺の友達も紹介するから。」

明日は朝から大変になりそうだ。

「は、はい。分かりました。
ところで、お友達というのは……?」

「リリに惚れると困るからあんまり会わせたくないのだが、学園でのリリの味方は少しでも多いほうがいいだろう。
まあ、どうせじきに会うだろうしな。」

「そう、なんですか。」

なんか、とってもやばそうな感じがする。
シオンお兄さまは公爵子息だし、もしかして、もしかしてだけど………。

「名前はロイド·アルファーノ。この国の王位継承権第一位である第一王子だ。」

ああ、やっぱりそうかぁぁーーー!!!
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