捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 イオレッタが叫ぶと、ぴたりと音は止まった。だが、それも一瞬のこと。すぐにガタガタガタッと家全体が揺れ始める。
「これで悪意がないの?」
「ないね。騒いでいるだけだし」
 レオニードに問いかければ、あっさりと返される。たしかに、怖いという雰囲気はしない――でも、うるさいものはうるさい。
「おーだーまーりー!」
 イオレッタが叫ぶと、ぴしゃりと音がとまった。イオレッタは両手に腰を当てて胸をそらせた。
「どこの誰かわからないけれど、がたがた騒ぐくらいなら出てらっしゃい! そうじゃなかったら――祓っちゃうからね! この人が!」
「俺?」
 イオレッタに指名され、レオニードは目を瞬かせる。笑うかのように再び家が揺れ始めた。
「おだまりって言ってるでしょ! 出てきなさいっ! この家ごと燃やして、新しい家を建てるって手もあるんだからね!」
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