捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 なんで、こんなに前向きなんだろう。けれど、ゼルマのそういうところ、嫌いではないというか好ましい。
 イオレッタがここで暮らすようになってから、少しずつ力が強くなってきたそうだ。
以前は壁を揺らして音を立てるぐらいしかできなかったのが、「家賃分は働く!」となったら、壁以外の物にも触れることができるようになったのだとか。
 やはり、精霊として進化をしようとしているのかも。
 朝食を食べ、洗濯をすませたら、午前中は宣言通り庭の手入れだ。芋はまだもう少し育てた方がよさそうなので、収穫まで五日ほど待つことに。
「ねーねー、この花、そろそろよさそうじゃない?」
「そうね。部屋に飾りましょうか」
 誰か種だけ植えていたのか、それとももっと前に植えられたものが勝手に野生化していたのか。
 ぼうぼうの草をゼルマと二人えいえいと騒ぎながら抜いてみたら、花壇に生き残っている花がいた。ポピーやカモミール、それにラベンダーとヤグルマギク。
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