捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 すぐに『ニバーン』からもイオレッタで大丈夫だという返事が来て、翌日早朝待ち合わせることになった。
「付き合わせて悪いな」
「問題ないですよ。出がけにゼルマが面倒だったぐらいで」
 イオレッタはちょっと遠い目になった。
 一泊で出かける、もしかしたらもうちょっと長引くかもと言ったら、ゼルマはご機嫌斜めになってしまった。彼女は家から出られないし、イオレッタが留守にしている間は家には誰も来ない。
「つまらない! つまらない! ヤダヤダ!」
 としまいにはひっくり返って足をバタバタさせ始めてしまった。子供か。
「わがまま言うなら、お土産買わないよって言ったら、おとなしくなったんですけど」
 あれがいいこれがいいと山のように品名を上げ始めた。子供か。子供と大差ない。
「気持ちはわからなくもないな。長年、あの家に一人で暮らしていたんだろ?」
「それもそうなんですけどね。わがままは困るなって」
 家に取り憑いているのを独り暮らしと言っていいのかどうかは別として、ゼルマが一人で寂しかったのは事実。
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