捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 イオレッタを相手にする時、床から上半身だけ出してみたり、天井から逆さまに出てきたりするのもその現れなのだろう。
 寂しがらせるのは申し訳ないような気もするから、何かお土産は買って帰ろうと思う。
「それで、湖の大精霊がいなくなったって、聞きましたけど」
「今のところ、俺達にもよくわからないんだよな。行って現地調査して、結果を報告しろってことだから」
 精霊が姿を消すというのなら、周囲にもそれなりに影響が出ていそうだけれど、今のところそれはないそうだ。
 となると、何か理由があって隠れているのかもしれない。今、それを考えてみても始まらないけれど。
「それにしても、遠出ってめったにしないから新鮮です」
 ガタゴトと揺れる馬車は、上の幌を外してしまっている。今日は天気もいいし、外の空気をこうやって感じられるのは気持ちいい。
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