捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 ふわりと姿を見せたシロクマはふよふよと湖の方に飛んでいく。歓迎しているかのように、シロクマの周囲を光の輪が取り巻き始めた。
 ヴァネッサがなにやら声をかけると、光の輪はこちらへと向かってくる。
『こんにちは、精霊の友よ』
 精霊使いや精霊師は、精霊達にとっては友と呼べる存在だ。
 イオレッタの前で数回点滅した光の玉は、ポンッとヴァネッサと同じ姿になった。あっという間にイオレッタの周囲は、シロクマに囲まれてしまう。
 精霊は基本的な姿を持たないから、ヴァネッサに合わせているのだろう。ここでアルディを出したら、ハリネズミになるのだろうか。
「わわ、こんなに来てくれるなんて思ってもいなかった。ええと、ここに大精霊がいるって聞いたんだけど、どこかに出かけているの? それとも、この湖が嫌になってしまったの?」
『大精霊様、眠ってる!』
 精霊が眠りにつくなんて、聞いたことがない。精霊達の言う眠りとは、イオレッタの思う睡眠と同じ意味でいいのだろうか。
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