捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 祠って、一週間程度で建つものなのだろうか。
 などという疑問はあったが、方針が決まってしまえば、あとはさくさくと進められるようだ。代官はてきぱきと部下達に指示を出し、あっという間に木材の手配にかかる者、大工の手配にかかるもの、設計のできる人間を捜しに行く者など動き始める。
「精霊が精霊神にいつなるのかはわかりませんが、湖の周囲で祭りを開催しようと思います。もともと、屋台を出している者も多いですし。どうか、皆さんもその頃もう一度いらしてください。イオレッタさん、感謝いたします」
 そんな風に満面の笑みで言わないでほしい。イオレッタはそっと視線を落とす。
 精霊と話ができるというのは、イオレッタだけの特技――でも。この能力を持って生まれたことが、本当に幸せなのかどうか。
「思っていたより早く終わったな。今日はもう遅いから、明日の朝ロシードに戻ろう。それでいいか?」
「大丈夫です」
 母とのことを思い出してしまったからだろうか。自分の力を素直に認めることができないのは。
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