捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「わかった。買ってくる! そなた達の分も買ってきてやる。すべて食らいつくしたのは、群れの長としては情けない所業だからな」
「……え?」
 セルヴィハの群れの一員になったつもりはまったくないのだけれど――と思う間もなく、風のように出て行ってしまった。
「買い物、できるのかしら……?」
 ドラゴンは賢いから計算という意味では問題ないだろうけれど、そもそも人間の通貨を持っているのかどうかというところで大いに疑問だ。
 慌てて腰を浮かせかけたら、クライヴに座るよう促された。
「あいつ、冒険者として組合に登録したんだよ。一応C級からスタートってことになってるが、もういくつか依頼を片付けた。買い物のしかたも教えてある。一人で買い物ができるのも確認済みだ」
 ドラゴンである以上、人間よりずっと強い。たぶん、強さだけで言えばA級より上だ。
 けれど、ドラゴンが冒険者組合に所属するというのも前代未聞だし、そもそも論として人間の基準ではかってもいいのかというところもある。
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