捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 だが、セルヴィハはすっと前足を持ち上げ、エグバートの身体を横殴りにする。
 殴られたエグバートは、勢いよく宙を舞った。顔面から地面に突っ込み、剣を取り落とす。
「い、痛そう……!」
 見ているこちらの顔面までひりひりしてくる。
 どう贔屓目に見ても、セルヴィハはエグバートをおちょくっている。
「な、なにをするっ!」
 めげずにエグバートは剣に手を伸ばした。しっかり握りしめているあたり、まだ闘争心は失っていないとみえる。
「お前の腕でドラゴンを退治できるはずないだろう。ワイバーンでも苦戦すること間違いなし、だ。いや、地上をはいずるランドドラゴンでもお前の剣では傷一つつけることはできないだろう」
「な、なにをっ!」
 今のセルヴィハの言葉で、エグバートは完全に頭に血が上ってしまったらしい。
 立ち上がったかと思ったら、その勢いのまま剣を再び振り回し始める。
「このっ、このっ!」
 これを見ていたイオレッタ達の心の声は一致した。
(殴っている方が気の毒に見える……!)
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