捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 ――けれど、今は違う。
 外に出て、たくさんの人と知り合いになった。アリスやマーガレットといった組合の人達。ブライアンのような冒険者達。
 それこそ、クライヴもタデウスもレオニードも。ゼルマだって、大切な人達で。
 荒れた精霊神が、人の世に災いをもたらそうというのなら、それを阻止するのもまたイオレッタの役目。
「大丈夫、皆がいてくれるから……だから、怖くない」
 また、吹き付ける嵐のような風。
 どこからか、竜巻のように水がまき上げられる。その水が、一気にイオレッタに襲いかかってきた。『あー、もうっ!』
 ヴァネッサが前足を振る。水は、イオレッタを濡らすことなく白い地面に落ちた。
『イオレッタ、マモルヨ!』
『精霊神様、元気出して!』
 フェオンとアルディがイオレッタの前に立つ。
 ソムもシュルシュルと舌を鳴らした。
(うん、大丈夫)
 自分で自分にうなずいて、手を伸ばした。
「精霊神様、私の声を聞いてください――」
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