捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 B級冒険者ともなるとなかなか貴重な人材だ。滞在届を出す以上、しばらく滞在すると見込んだアリスはにこにこ顔になる。
「お前、彼女をけしかけてたろ。それって、職員としてはどうなんだ?」
「うー、それは」
 そこまで考えていなかったようだ。あの程度どこの組合に行ってもあり得る話だし、ここに来るまでの間も何度も似たようなことはあった。
 アリスとは仲良くしておきたいので、救いの手を差し伸べる。
「アリスさんは私の力を見せておいた方がいいって判断したんだと思いますよ?」
「そうか?」
 クライヴは真っ直ぐにイオレッタを見つめる。黒い瞳に真正面から見つめられて、思わずイオレッタの頬に血が上った。
 婚約者はいたけれど、最初からイオレッタとの婚約に不満があったから、異性と身近に接した記憶なんてない。
「組合に私の能力は伝わっているし、私が魔物退治はやらない採取専門の冒険者だっていうのも理解していただいているんですよ。一人での活動を好むっていうのもね」
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