捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「ソム、レオニードさんとタイミングを合わせるの。レオニードさん、私達を信じてください」
 ぶっつけ本番だが、ここは信じてもらうしかない。
『私も手伝うから、問題ないわ』
『まーかーせーてー』
「じゃあ、いくよ」
 いつもは笑っているレオニードの表情が、一気に真剣なものへと変化した。口から流れ出るのは、神の助力を請う神聖魔術を使うための聖句。
 地面に横たわっていたクライブの身体が再び跳ねた。と、同時に辺りが真っ白な光に包まれる。
『やった、解毒、完璧』
 ソムの話し方がたどたどしいのは、具現化するのが初めてだからだろう。
「こっちも成功――ありがとう、イオレッタちゃん」
「いえ、できることをしただけですから」
「君は……」
 口を開きかけたレオニードだったが、すぐに首を横に振った。と、そこへタデウスが戻ってくる。相手が持っていたものを奪ったのか、手には弓と矢があった。
「クライヴはどうです?」
「イオレッタちゃんのおかげで、問題ない」
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