捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 イオレッタの精霊使いとしての能力を知られたら、実家に連れ戻される可能性もなくはなかった。戻るつもりはなかったし、イオレッタ一人ならどうにでも逃げられただろうけれど、面倒事は避けられなかった。
 でも、今イオレッタがいるのは母国ではない。『ベルライン伯爵家の令嬢イオレッタ』と『精霊師のイオレッタ』が同一人物だと知られたとしても、あの家の人達に打つ手は残されていないはず。
(……そうね。もし、一緒に活動してもいいなと思える人達に出会ったら)
 誰かとパーティーを結成するとか、すでに結成されているパーティーに加えてもらうのも悪くはないかもしれない。
 その時、仲間にしてほしい人達の顔が頭をよぎったけれど、イオレッタは気付かなかったふりをした。だって、イオレッタは次男じゃない。彼らと『仲間』になることはできないのだ。
 
 ロシードには、比較的すんなり馴染むことができた。
 イオレッタの生活は、ゴルフィアにいた頃とたいして変わりない。
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