捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 暮らしているのは、冒険者組合の持つ宿泊所の一室。週に二回、午後は組合の治療所で回復魔術を使う。ロシードはゴルフィアより裕福なのだろうな、と思うのは、冒険者組合に協力することで、宿泊所の料金が半額になるということ。
 イオレッタが協力するのは週に二回、しかも午後からなのに。
(……それにしても)
 頼まれていた薬草を探しながらイオレッタは思う。なんだか、このあたり薬草が急に少なくなっているような。
(誰か、無茶な採取をしてるみたいね……)
 野生の薬草を採取する時は、完全に取りつくさない様にするのが決まりだ。そうしなければ、あっという間に薬草は採りつくされてしまう。
 街の近くで採取するのは、経験の浅い冒険者や、子供達。経験を積んでいて、能力のある者は町から遠く離れたところに行くのもそのため。
 ――だけど。
 イオレッタの見る限り、街の近くにある薬草の群生地はほぼ死滅してしまっている。今日はもう帰った方がよさそうだ。
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