仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
綾人くんもついてきて……鬼ごっこ状態になってしまった。


逃げる私と忍くんに、追いかける綾人くんを更に追いかける女の子たち。


あああどうしよう……!!


私朝遅いし、すぐに追いつかれちゃう。


忍くん、今まで隠してたぐらいだし、バレない方がいいんだよね?

もっと早く走らないと!


そう思って一生懸命走っていると……


「きゃぁっ!」


転がっていた空き缶を踏んで滑ってしまい、盛大に転んでしまった。


ま、また足首が……。


起き上がれなくて座り込んでいると、忍くんが近づいてくる。


顔、近い……。


綺麗な顔が目の前になると、


「ごめん、ちょっと失礼するね」

「えっ……?」


そう言われながら、お姫様抱っこ……されてしまった。


後ろを向けば綾人くんたちが見える。


だけど、だんだんと離れて行っていた。


それは、忍くんが私をお姫様抱っこしながらも、すごいスピードで走っているからだ。


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