推しは策士の御曹司【クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!】スピンオフ
「ちょっとだけ、すいません。ちょっとだけ待って下さい」
必死になって狭いベッドの上で精一杯身体を離すと「何か問題でも?」と聞いてくる。根本的に問題です。
「全てが問題です。混乱してます」そう正直に言うと、大きなため息をして身体を起こすので、私もそれにならって二人でベッドの上で並んで座る。
「僕は咲月さんが好きです。咲月さんは?」
「私も専務が好きです」
「じゃぁ問題はないですね」笑顔を見せて手を伸ばすので、私は「ちょ、ちょっと一回お話をしましょう」落ち着け私。
そう、落ち着こう。この状況を頑張って整理しよう。
「専務は国内外で一流のホテルを構える御曹司です。ゆくゆくは会社のトップになります」
「はい。今のところは」
そこは否定しない専務。なんだかベッドの上で勉強会をしている気になる。
「お見合いのお話もあると思います」
「ありますよ」
「私なんかに関わらず、そちらのお嬢様と一緒になるのが世間的にいいかと……」
「咲月さんは僕が嫌いなんですか?」
悲しい顔でそう言われると、心臓にグサリと刃物が突き刺さったように痛くなる。
「大好きですって」情けない泣き声になりそう。
「咲月さんの言ってる意味がわかりません」
自分でもわかりません。
「だから専務は、大好きだった彼女を忘れたいだけなんです」
不安が言葉になって次から次へと流れるように出てきてしまう。溜め込んでいた水があふれる。ついでに目から涙も溢れてしまう。
「咲月さん、それはひどい」
悲しそうな声で言われてしまい、ハッとする。
あぁ本当だ、私ったら推しに向かってなんてひどい事を言うんだろう。
必死になって狭いベッドの上で精一杯身体を離すと「何か問題でも?」と聞いてくる。根本的に問題です。
「全てが問題です。混乱してます」そう正直に言うと、大きなため息をして身体を起こすので、私もそれにならって二人でベッドの上で並んで座る。
「僕は咲月さんが好きです。咲月さんは?」
「私も専務が好きです」
「じゃぁ問題はないですね」笑顔を見せて手を伸ばすので、私は「ちょ、ちょっと一回お話をしましょう」落ち着け私。
そう、落ち着こう。この状況を頑張って整理しよう。
「専務は国内外で一流のホテルを構える御曹司です。ゆくゆくは会社のトップになります」
「はい。今のところは」
そこは否定しない専務。なんだかベッドの上で勉強会をしている気になる。
「お見合いのお話もあると思います」
「ありますよ」
「私なんかに関わらず、そちらのお嬢様と一緒になるのが世間的にいいかと……」
「咲月さんは僕が嫌いなんですか?」
悲しい顔でそう言われると、心臓にグサリと刃物が突き刺さったように痛くなる。
「大好きですって」情けない泣き声になりそう。
「咲月さんの言ってる意味がわかりません」
自分でもわかりません。
「だから専務は、大好きだった彼女を忘れたいだけなんです」
不安が言葉になって次から次へと流れるように出てきてしまう。溜め込んでいた水があふれる。ついでに目から涙も溢れてしまう。
「咲月さん、それはひどい」
悲しそうな声で言われてしまい、ハッとする。
あぁ本当だ、私ったら推しに向かってなんてひどい事を言うんだろう。