推しは策士の御曹司【クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!】スピンオフ

 さてさて
 あっという間の新年会の日がやってきて、私は時間に追われて制服のまま会場に滑り込み、社長の挨拶終わりにさりげなく拍手しながら、隣の席を確保してくれている芽愛ちゃんを探すと、シャンパンゴールドのドレスで彼女は私に向かって手招きをした。
「遅いっ!なんで制服?」
「引継ぎに時間かかって今終わったの」
 しっかり今日は休みを取りドレスアップ組も多い。今日のメンバーは事務仕事で定時で終わるみなさんと、早番と遅番の人達で、中番のみなさんは少ない人数で仕事に励んでいる。出番のみなさんありがとう。
「専務も今年はいるよ」
 私の心の中を見透かすように芽愛ちゃんは遠くを指さす。遠いけどキラキラしている。推しのオーラをひしひしと感じます。同じ会場で同じ空気をいただけるなんて、ありがとうございます。
 さりげなく円形のテーブルを囲む席に座ると、数字の書かれた紙がグラスの端に置いてある。
「今年はビンゴじゃなくて抽選みたい。失くさないでね」
 芽愛ちゃんに言われてうなずく私です。今年は何が当たるのかな。そして専務提供のダイヤは本当にあるのだろうか。そう思いながら遠くの王子様を見つめてしまう。
 見つめるだけでも幸せです。でも、欲を言えば、少しでいいからお話を……いや、緊張するし、そんな機会はないだろうと

   思っていたら……。


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