推しは策士の御曹司【クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!】スピンオフ
「玲菜さん!」静かなロビーに大好きな人の声が響いた。その声は甘く優しい。
 専務はロビーの奥にあるソファーに移動しようとしている人たちに合流する。綺麗な御一行様だった。四人とも背が高くスタイルも良く絵になっている。
 あぁやっぱり玲菜さんだったんだ。重く深いため息が出そうになったけど、ここは職場である。せめてプライドを持って前を向いて作り笑いでいいから笑顔でありたい。
 専務の好きだった人はとても綺麗な人。きっと性格もいいのだろう。私とはレベルが……いや本当にどうしても卑屈になってしまう私だ。芽愛ちゃんに怒られそう。プライドプライド。どんな時もプライドを持ち笑顔であれ。気にしてはいけない。お客様だ。大切なお客様。専務がずっと付き添う大切な……あぁもう私ったら、ひとりでモヤモヤしている最低でしょう。
 変な嫉妬はいけません。専務は夢のようなセリフをいっぱい言ってくれるけど、思いっきりのモブなんだぞ自分は、自覚を持ちなさいっ!
 色々な気持ちが交互してしまう。目の前で楽しそうな笑顔を見るのが、なぜか切ない。
 目に見えるって……つらい。

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