時をこえて、またキミに恋をする。
遠まわしな言い方ではあるけど、宗治がわたしを夏祭りに誘ってくれている。

でも、宗治も恥ずかしくて言いづらいんだ。


…なんだっ。

わたしと同じでよかった。


「も〜、しょうがないなぁ。そんなに行きたいなら、ついていってあげてもいいよ?」


何食わぬ顔でそう言ってみたけど、内心はうれしさでいっぱいだった。

だって、宗治と2人で夏祭りに行けるんだから。



そして、その週末。

夏祭りの日。


わたしは夕方、お母さんに浴衣を着せてもらっていた。


白地に赤色の麻の葉模様の浴衣。

お母さんが若い頃に着ていたものだ。


そういえばこれを着て、前に一度幕末にタイムスリップしたんだっけ。

そんなことを思い浮かべながら、姿見に映る浴衣姿の自分を眺めていた。


「ねぇ、都美」


後から、わたしの帯を結ぶお母さんの声が聞こえて顔を上げると、姿見越しにお母さんと目が合った。
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