時をこえて、またキミに恋をする。
「今日の夏祭り、楽しんできてね」

「べ…!べつに、わたしは宗治の付き添いで――」

「とか言って、本当は宗治くんと2人で行くのを楽しみにしてるんでしょっ」


お母さんの言葉に、一瞬にして顔が熱くなる。


「宗治くんとお付き合いしてるんでしょ?」


どうやら、お母さんにはなんでもお見通しのようだ。

その問いに、わたしは黙ってこくんとうなずいた。


「よかったわね。両想いになるだけでもすごいことなのに、時代を越えてお互いを好きになるなんて奇跡に近いことよ」


キュッと帯を結ぶと、お母さんはわたしの両肩に手を添えた。


「その気持ち、大切にしなさいね」


姿見に映るお母さんが優しく微笑む。

それを見て、わたしも自然と笑みがこぼれた。


部屋から出ると、縦縞模様の黒色の甚平を着た宗治が待っていた。
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