時をこえて、またキミに恋をする。
その夜。

人々が寝静まり、物音が聞こえなくなったのを確認すると、わたしはそっと部屋を抜け出した。


冬の夜は冷える。

暖房なんてないこの時代、着物を重ね着して寒さに耐えるしなかなった。


でも、そんなことを言っている場合じゃない。


この夜中に起こるであろう火事を食い止めなくてはならないから。


「…都美!やっぱりお前は部屋にいろっ。体が冷える…!」


部屋の外で待ち合わせしていた宗治と合流する。


「それはお互いさま。それに、こんな日に部屋でゆっくりなんて寝てられないよ」


わたしたちの白い息が、交錯してはすぅっと消える。

目が合うと、月夜に照らされた宗治の口角がニッと上がった。


「それじゃあ、いっしょにやってくれるか?都美」

「もちろん!未来を変えよう」


わたしも宗治に向かって微笑んだ。
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