時をこえて、またキミに恋をする。
あの火事が起こるまでは、2人の心は結ばれていたんだ。


「私、宗治のことが大好きなのっ」


無邪気に微笑む都子姫の顔は、宗治を想うわたしの顔をまるで鏡に映しているかのようだった。


都子姫もこんなに宗治のことが好きだったんだ。

わたしが宗治と出会う前から、…ずっとずっと。


「ごめんなさいね、私の話ばかりして」

「…いえ、そんな」

「でもこんな話、屋敷の者にはできないから。だから、びぃ様に話したくなったのかもしれないわ」


純粋な都子姫の笑みに…心が痛む。


わたしは、都子姫が思うようないい人なんかではない。

都子姫の恋を邪魔しているのだから。


そんなこととはつゆ知らず、愛しそうに宗治を見つめる都子姫。

そのまなざしは、宗治との明るい未来を見据えているかのようだった。
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