俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う

美希が会社に到着した時、すれ違いに流花を連れて蓮が車に乗り込むところだった。

誰なの？

蓮の秘書は東條しかいないと思っていたから、まさか新しい秘書など、

想像もつかなかったのだ。

蓮はカッコいいパパと、蓮也の友達に褒められて、美蓮にも幼稚園にきてとねだられて、

美希は自分の存在が必要ないと思えて、落ち込んでいたのだ。

若い女性を伴って、車に乗り込む蓮は、まるで恋人を連れているような雰囲気を醸し出していた。
もうすぐ五十歳の美希にとって、十二歳の年の差をまざまざと見せつけられた瞬間だった。

蓮が浮気などしない、そんなことはわかっているのに、なぜか一人取り残されたような

感じを味わった。

蓮が打ち合わせの最中にスマホが鳴った。

美蓮の幼稚園からだった。