君にかける魔法
そして言葉を放つ。

「ナツキの様子がおかしいんです。」
「あぁ、それか」

熊沢君は何も迷いがない感じ。
納得している……?

「何か知りませんか?最近避けられてるんです。」
「だろうな。」

熊沢君は冷静にそう言う。
背の高い熊沢君は上から私を見ている。
はぁ…と呆れた顔を一瞬見せると、私の肩を軽くポンっと叩く。

「頼んだ。」
「えっ……」

一瞬聞こえた囁きのような声を私は聞き取れなかった。
熊沢君は体育館の方へ行ってしまった。

私だけ、ナツキのことを分かっていない。
熊沢君はなんと言ったのだろう。

訳が分からない。

何とかしなければと思うけれど、本心を知ってしまったら何か悪いことが起きてしまいそうで、不安で…

何も出来ないまま、修学旅行がやってくるのだった。









ーーーーーー暗い部屋の中、LIN○の通知が光る

『お前の友達、俺に話しかけてきたんだけど何かあったのか?』

『何もない』

『何も無かったらあんなに必死になってないと思うんだけどな』

『ごめん。迷惑だよね。伝えとく。』

『いい加減素直になれよ』

『何のこと?』

『お前が1番わかってるだろ』

『は?』

『ずっと変わってないだろ。一年以上このままじゃん』
『いい加減にしろよ』
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