【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
実は俺が現国王陛下の異母弟であると、同じ学年の王太子に話す予定はなかったので、必要がなければ『甥』には近寄ろうとは思っていなかったし、事情を知っている王太子の婚約者のクロエ様も、俺のことを伝えるつもりはないようだった。


兄である国王陛下には王子がふたりと、王女もひとり居て、今更王位継承権4位の復権なんて、どうでも良かった。
俺の望みはこのままブリュロワール商会の商売を広く深く高く、大きくする事だからだ。



ところが、学歴と人脈確保の為だけに貴族専用の高等学院へ通い、順当に学生生活を終えたい俺に近付こうとする、距離感のおかしな女が現れた。

同時期に編入した自称BBこと、ビグローという女だ。
転入初日の職員室での初対面から飛ばしてきた女で、
『BB、って書いて、ベベ、って呼んでいいからね』なんて言いながら、俺の腕に胸を押し付けてきた。


何だ、こいつ?
何で、初対面からタメ口?
朝の職員室で何するんだ?
俺が不純異性交遊で目を付けられたら、どうしてくれる!


「あたしもエイドリアンって、呼ぶからね?」

「……いや、普通にブリュロワールって、呼んでください」

「えぇっ、どうしたの?
 何か大人しいね?
 設定と性格違うね?」
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