【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
妊娠しやすそうな日を選んで決行しましょうか。
不貞発覚、その上妊娠となれば、貴女は愛妾に。
私は『白い結婚』のお飾り王太子妃。

安心してね、私は決してリシャールと閨を共にしない。
貴女とリシャールが愛し合っても、傷付いたと逃げ出さないわ。
そのまま3年経過したら、私の方から離縁を申し立て出来るもの。


私に敵対するだろうヒカリより、単純な貴女の方がコントロールしやすいから、なんて口にしない。
傍目にはリシャールを挟んで対等な正妃と愛妾でね?
それがいいね、そうしよう?  



「私は悪役令嬢よ?
 悪役がメインヒーローの王太子と結ばれてはいけないでしょ?」

ブリジットは胸を張ってそう言いきる私を、空色の瞳で呆けたように見上げている。



素直に婚約破棄されて、修道院や領地に去るなんて嫌。
田舎でのスローライフや前世の知識を基にした領地改革なんて、肉体的精神的苦労はしたくない。
アウトドアには向いていないもの。
だから、中央の、キラキラしたこの場所から離れないわ。


これから先を考えると、力が満ちてテンションが上がってくる。
ゲームのストーリー通りに、エイドリアンやノワールの手は取らない。
決められた選択を無視して、この世界の理に抵抗する私は、どうなるのかしらね?

消滅する?
狂う?
それとも、笑う?

私のせいでこの世界が崩壊しても。
その瞬間にも。
きっと、私は笑っている。



ねぇ、ブリジット。
私は新しい悪役令嬢の物語を綴りたいの。
何年経っても、人々の記憶に残る悪役令嬢の称号に相応しく。


ちゃんと、私は今。
微笑めているかしら?



  fin.

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